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浪江町合併60周年記念式典を挙行しました

印刷用ページを表示する 掲載日:2016年10月11日更新

平成28年10月9日、浪江町地域スポーツセンターにて、250名以上のご来賓をお迎えして、浪江町合併60周年記念式典を挙行しました。

町長の式辞、および式典冒頭で上映した「浪江町合併60年の軌跡」スライドショーをご紹介します。

記念式典

町長式辞

 本日ここに浪江町合併六十周年記念式典を挙行いたしましたところ、公私なにかとご多用中にもかかわりませず、多数のご来賓の皆様のご臨席を賜り、ありがたく厚く御礼申し上げます。

町の今日までの歩みを考えてみますと、明治23年の町村制施行により浪江村、明治33年に浪江町となり、昭和28年に請戸村、幾世橋村と合併、次いで昭和31年に大堀村、苅野村、津島村と合併、当時27,693人を有する双葉郡北部の拠点として、現在の浪江町が誕生いたしました。

本来であれば、この場に多くの町民の皆様にお越しいただき、共にこの記念すべき日を慶びたいところでありました。しかし、平成23年3月11日に発生した東日本大震災と原子力災害により避難指示が発令され、以来5年7か月の長きにわたり、広域分散避難を余儀なくされ、誰ひとりとして浪江町に帰還することができず、今なお避難生活を送っている状況の中で、本式典の開催に至らざるを得なかったことは、痛恨の極みであります。

この間、浪江町及び浪江町民に対しまして、全国、さらには世界中から温かいご支援を賜りましたことに対し、心から敬意と感謝を申し上げます。

特に、浪江町民の避難先として仮設住宅を設置させていただいております自治体の皆様、町民の絆を維持するための浪江町交流館、さらには仮浪江町役場及びその出張所を設置させていただいております自治体の皆様、発災以降、浪江町役場へ応援職員を派遣いただきました全国の自治体、及び関係団体の皆様より賜りました多大なるご支援に対しまして、重ねて厚く御礼申し上げます。

さて、いま私たちが向き合わなければならないのは、いうまでもなく「全町避難からの復興」という使命であります。

それは非常に厳しい道のりです。残念ながら百パーセント元どおりの町に戻すことは困難と言わざるを得ません。しかし、少しでも元の状態に近づけるよう、そして震災前よりも良い町を創建しようという覚悟で、私たちはこの険しい道を歩んでおります。

復興に魔法はありません。ときに緩慢に見える歩みには、苛立ちも覚えるかもしれません。が、地道な努力を一歩ずつ積み重ねた先に、必ず未来は切り拓けるものと希望をもっております。

中国の文学者、魯迅の代表作「故郷」には、次のような一節があります。

「希望とは、もともとあるものとも言えぬし、ないものとも言えぬ。

それは地上の道のようなものである。

地上にはもともと道はない。

歩く人が多くなれば、それが道となるのだ。」

浪江町が取り組む町の再興にも、同じことが言えるのではないでしょうか。道なきところに勇気をもって足を踏み入れ、その一歩一歩が結果として道となっていくのであります。この式典をあえて浪江町で挙行した理由は、ここにあります。

町というものは、人の住まない状態がつづけば、またたく間に荒廃が進みます。一日一日、ふるさとが荒れていく姿を見るのはまことに耐え難く、この無念の思いは、すべての浪江町民がひとしく胸に抱いておられるはずです。

この町を、うつくしいふるさとを甦らせるために、これまでにも多くの汗が流されております。

町とは言うまでもなく、人々の「暮らし」の集合体であります。自宅に住み、草をかり、道を清める。隣近所との交流を深め、生業を営み、地域の行事を皆で作っていく。一人でも多くの町民の皆さんが浪江に帰り、そのような「普通の暮らし」を一日も早く取り戻していただくことこそ、町の復興の礎であると考えております。

ふるさとを離れて5年7か月、町民はみな塗炭の苦しみを味わいながらも、一人ひとり、それぞれの場所で必死に生活再建の努力をされてきました。その中でも、避難指示が解除されたら先陣を切って浪江に帰り、町を復興させていくのだ、という決意を語ってくださる方々がおられます。

容易ならざるご決断でありましょう。が、そうした皆様がパイオニアとなって道を拓き、後から続く人々に希望と勇気を与えてくださることを、私は本当に心強く感じます。

今こそ、震災前から培ってきた浪江町の官民協働の精神が試されるときではないでしょうか。私は今日の記念すべき日を契機に、その先頭に立つ覚悟を新たにし、新生・浪江町のパイオニアとなって一緒に立ち上がってくださる皆さんを、最大限に支援していくことをお誓いいたします。

歴史は繰り返すと言われます。イギリスの歴史家E・H・カーは、著書「歴史とは何か」の中で、「過去を語りながら、現在が未来へ食い込んでいく、その尖端に私たちを立たせる」と記しており、歴史に学ぶとは教訓を実践することだと、あらためて考えさせられます。

浪江町はこれまでも、先人たちの叡智により幾多の困難を乗り越え、難局を克服してまいりました。この震災と原発災害に対しましても「明けない夜はない」と信じ、先人諸兄に恥じることが無いよう、現在、復旧・復興を確実に進めております。

これからも力強く、新しい浪江町の創建に邁進していく所存でありますので、ご臨席の皆様方におかれましては、これまで以上のご理解とご支援、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。

結びに、本式典に当たり、重ねてご来賓の皆様に厚く御礼申し上げますとともに、ますますのご健勝とご多幸をご祈念申し上げ、浪江町合併六十周年記念式典の式辞といたします。

平成28年10月9日 

浪江町長 馬場 有

「浪江町合併60年の軌跡」スライドショー

https://youtu.be/9_gQnuCU2MA

合併60年の軌跡スライドショー表紙