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【町長メッセージ】就任一年を振り返って

昨年85日に就任され、間もなく1年になります。率直な感想を聞かせてください?

 私はこれまで16年間県議会議員として故郷のために働いてきましたが、昨年、浪江町長という立場に変わり、町長とは、多くの町民の方々の気持ちを背負う非常に重い職務だと感じています。震災によってバラバラになってしまった町民は、帰還した方、帰還を迷っている方、帰りたい思いを持ちながらも帰ることができない方等々、立場や状況が様々です。これまでも故郷の復興のために力を注いできましたが、町長となって、より一層“ふるさと浪江”を何としても復興するという想いが強くなりました。

この一年間、多くの出来事がありましたが、特に印象に残っていることは何ですか?

 まず、就任直後に正式決定となった「福島国際研究教育機構(F-REI)」ですね。

 この施設によって浪江の未来が変わります。その歴史的瞬間に立ち会えたと思っています。しかし、広域的な復興の核となるこの施設は、過去に類をみないものであり、立地町としての責任は重大です。必ず成功させなければならない。これから、しっかりと研究者の方々に良い環境を整えていくつもりです。

そして、こうした方々と浪江町民とが共感できるような復興まちづくりを進めていきます。

 もう一つは、帰還困難区域のことです。

 町内全域の避難指示が解除されることが私の目的、使命だと思っています。特に、津島地区は開拓で苦労された方々に、震災によってさらに大きなご苦労を負わせてしまいました。本当に心が痛い。津島の貴重な歴史、文化を後世に残していくのは自分の役割です。

 3月末に津島、末ノ森、室原地区の特定復興再生拠点で避難指示が解除されましたが、以前から言っている通り、今回の解除は「一歩前進」にすぎません。町内全域の(避難指示)解除に向け、まずは今回解除された地域の復興を実現するため、それぞれの強みを活かした事業を進めてまいります。

 帰還に向けた意見交換会では、白地と呼ばれる地域の方々から「早く帰りたい」という切実な声を聞きました。そうした想いを受け止め、できるだけ早く残りの地域についても避難指示を解除し、震災前のような町に戻す。そのために、これからも努力を続けていきます。

最近、水素に関する町のニュースをよく目にするようになりました。水素は町の復興にどのようにつながるのでしょうか?

 今、世界中でエネルギーの大転換が起ころうとしています。こうした変革期に復興を進める浪江町にとって再生可能エネルギーの活用というのは必要な取り組みです。

 日本は、水素エネルギーの分野において世界をリードしており、町では日本の最先端技術を活用した水素エネルギーの実証事業を次々に行っています。また、先日発表したカルフォルニア州ランカスター市、ハワイ州ハワイ郡との連携は、世界をみても先進的であり「浪江町」には、世界中の産業界から注目が集まっています。こうした影響によって、水素関連事業者や水素エネルギーを活用したい企業が浪江に集まり始めており、復興の力となっています。

 これから大きな復興工事や除染の作業は減っていきますが、水素や新エネルギー関連の企業が増えることによって、町の交流人口は増えていきます。F-REI(福島国際研究教育機構)もそうですが、関連するビジネスの交流が広がれば、浪江町の発展に必ず寄与するものになると思っています。

今後の取り組みについて、聞かせてください。

 もちろん、医療や教育など町内の生活環境の充実が最優先事項です。

 決定した情報でなければ公表することができないので、町民の皆さんに進捗をご報告することができないのですが、担当の役場職員を含めて様々なアイディアを駆使して取り組んでいますので、成果が出るまで、もうしばらくお時間をいただければと思います。

 そして、子供や子育て支援に関しては、さらに充実させていきたいです。

 現在、にじいろこども園、創成小中学校には、100名を超える子ども達がいます。避難指示解除から6年が過ぎ、たくさんの子ども達の笑顔が戻ってきてくれました。これは我々大人たちにとっても大きな力になっています。先生の数が多いとか、この地域の特性にも起因しているとは思いますが、それよりも大きな理由として、保育士、先生方による教育・保育、授業への評価の結果だと考えています。これからも小規模校のメリットを最大限に活かし、国際教育や農業、演劇、伝統文化体験授業など質の高い教育の実現に取り組んでいきたいと思います。また、子育てしやすい環境のためには、小児科医療への不安も解消していきたいです。

 それから復興事業への財源を確保していくため引き続き国や県と協議していきますが、移住施策や企業誘致など、町の将来に向けた財政基盤を作り上げることにも力を入れていきたいと思っています。

最後に町民の皆さんへメッセージをお願いします。

 震災前のような町を取り戻すためには、長い時間が必要です。次の世代に生きる人々のため、とにかく未来に向かって進むしかありません。私の仕事は、町民の方が幸せに暮らせる町をつくることです。水素も駅前開発も医療のことも、すべては町の発展のため、未来のためです。

 しかし、震災によって未だに辛い思いをされている方々がたくさんいるのだという現実は、いつも頭から離れません。これからも、そうした一人一人の気持ちに寄り添いながら、町長としての責務を果たしていきたいと思っています。


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