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【報道機関向け資料】浪江町の復旧・復興は少しずつ、着実に進んでいます

(平成26年10月21日配信) 福島県浪江町は、平成23年3月の東京電力福島第一原子力発電所の事故のため、全域に避難指示が出ています。全町民の避難が続く困難な状況ですが、将来の帰町に向けて、比較的放射線量が低い地域から、町の復旧・復興を進めています。多くの段階を経るこれらの作業は、時間はかかりますが着実に前進しています。今年4から9月の進捗をご案内します。

1. 除染・復旧ステージ

◎除染が進みました(環境省の事業)

実施対象区域内の全34行政区*のうち、1行政区で除染が終了し、8行政区で除染が開始しました。その他25行政区のうち、津波被災地の5行政区を除く20行政区については、10行政区で昨年より開始した除染作業への同意取得を継続的に行い、残りの10行政区についても9月から同意取得を開始しました。津波被災地については、災害廃棄物の処理状況を勘案しつつ、除染を進めることになります。これら除染対象区域内では、9月末時点で宅地5%、農地5%、森林8%、道路9%の除染が完了しています。

また、帰還困難区域内においては3か所で除染モデル実証事業が実施されました。

*現行除染計画は、避難指示解除準備区域および居住制限区域が対象。

◎災害廃棄物(がれき)等の選別・撤去が進みました(環境省事業)

町内の災害廃棄物等は28.9万トンと推定されています。津波被災地では、がれきを木片や金属くずなどに選別する作業を進め、焼却等の処理を行うまでの仮置場の造成にも着手しました。

◎漁港、道路、上下水道などのインフラの復旧工事が進みました

福島を代表する漁港のひとつであった請戸(うけど)漁港は、昨年度より復旧作業が開始しており、今年7月からは港内に沈んだ災害廃棄物の撤去、および浚渫(海底の土砂を取り除く作業)が始まりました(請戸漁港復旧工事の完了目標:平成28年3月まで)。上水道は、津波被災地を除く地域の約3割で復旧が完了しました(上水道の復旧完了目標:平成29年3月まで)。

2. 町の復興ステージ

◎町内で営業を再開する事業者が増えました

4から9月の半年間で5事業者が、また10月1日には1事業者が、町内で営業を再開(もしくは新規に開始)し、合計15事業者(19事業所)となりました。8月27日には、震災後初の小売店舗の再開となる「ローソン浪江町役場前店」がオープンしました。

◎水稲、野菜、花卉類の試験栽培が始まりました

町内の一部の農地で、町民の協力のもと、水稲およびトルコギキョウの試験栽培を開始しました。水稲は、5月中旬に4年ぶりとなる田植えを行い、10月4日に収穫を迎えました。5月に定植したトルコギキョウは、7月末より収穫を行い、8月6日には東京の太田市場へ出荷しました。町内産の農作物の市場出荷は3年5か月ぶりです。

3. 避難中の町民の生活支援

◎復興支援員の配置拠点を倍増しました

全国に分散避難している町民の生活支援のため、「浪江町復興支援員」を配置しています。今年4月からはその拠点数を5か所増やし、1府9県に拡大しました(山形、宮城、茨城、群馬、千葉、埼玉、神奈川、静岡、京都、福岡)。

◎復興公営住宅の整備を促進しました

より良い生活環境を提供できるよう、復興公営住宅の整備を、関係諸機関とともに進めました。福島県営住宅については、4から5月の第一期募集において、浪江町民が入居可能な住戸(他町と共用を含む)160戸が提供されました。10月から始まった第二期募集では、同110戸が提供されています。また、本宮市、桑折町では個別の協定に基づいて公営住宅の建設を進め、本宮市では10月から56戸の入居募集が始まりました。

4. 今後の取り組み――「これなら帰れる」という環境をつくるために

浪江町の避難指示の解除は現在、平成29年3月を想定していますが、国と協議のうえ慎重に判断します。

今年8月に実施した住民意向調査では、「すぐに帰りたい」「いずれ帰りたい」を合わせた「帰還の意志のある人」は17.6%、「まだ判断がつかない」が24.6%でした。解除直後の町内の人口は、2,500世帯5,000人と想定し(町外と行き来しながら2地域居住する世帯を含む)、そのほか復旧・除染等の作業に携わる方々の滞在も見込んでいます。当面これらの方々にとって町内を住みやすくし、また将来の町の振興につなげるため、様々な取り組みを行います。主なポイントは以下の通りです。

◎住む場所をつくる

津波で家を失った方や、自宅はあるが地震による損傷や長期間居住していないため(動物の害などで)住めない状態の方のための「災害公営住宅」(防災集団移転促進事業)と、周辺の放射線量が高いため自宅に帰ることができない方のための「復興公営住宅」を、町内の放射線量の低い地域に整備します。いずれも意向調査に基づいて整備戸数を決め、避難指示解除に間に合うよう整備します。

なお、帰町の準備を進めたい方向けの一時滞在施設として、町内の既存の保養施設を平成28年中に修繕整備し、避難指示解除の前に町内での特例宿泊を可能にすることを目指します。

◎働く場・生活の場をつくる

町の主要産業のひとつである農業の再生に向けて、水稲および野菜の品目を増やして実証栽培を継続します。検査実績を積み重ねて安全性を確認し、本格出荷を目指します。また、景観作物・燃料用作物を含む非食用の農産物をも利用した営農再開を推進します。

第二次・第三次産業については、ひきつづき様々な業種の事業再開を促進しますが、特にスーパーなど小売業の再開を積極的に働きかけていきます。

福島第一原子力発電所から10キロ圏内に低線量で居住可能なエリアを有する(避難指示解除後)という地理上の優位性を生かし、また、未曾有の原子力災害の被災経験を将来の原発事故対策に生かすため、双葉郡北部の復興拠点として、廃炉のプロセスと関連産業の振興に積極的に関与していきます。

◎安心をつくる

避難指示解除の要件のひとつは、除染の徹底による放射線量の低減です。十分に下がらないところは、年間の追加被ばく量1ミリシーベルト(空間線量0.23マイクロシーベルト毎時)を長期的な目標に、追加除染を国に求めます。また現在国の本格除染の計画がない帰還困難区域についても、引き続き除染を求めていきます。

また、大震災・原発事故の教訓を生かし、広域避難計画を含めた地域防災計画全体を見直して、避難指示解除までに新たに策定します。

(参考)最近の町内の様子

▼震災後、浪江産農産物として初めて市場出荷したトルコギキョウ(8月)

浪江のトルコギキョウ

▼待望の小売店舗の再開第1号は、ローソン浪江町役場前店(8月)

ローソン浪江町役場前店

▼除染が終わった酒田地区の水田で水稲の実証栽培を開始。町内で4年ぶりに行われた田植え(5月)と稲刈り(10月)

町内で4年ぶりに行われた田植え

町内で4年ぶりに行われた稲刈り

▼マリンパークなみえで進むがれきの選別作業(8月)

マリンパークなみえで進むがれきの選別

▼造成中の災害廃棄物仮置場(棚塩地区/9月)

棚塩のがれき仮置場

本件に関するお問い合わせ先

浪江町役場 復興推進課 <小島・清水> 0243-62-4731  namie12030@town.namie.lg.jp

ダウンロード

浪江町の復興の進捗プレスリリース平成26年10月21日 [PDFファイル/699KB]

 

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