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浪江町の緑の文化財
町民に親しまれ愛されてきた銘木や鎮守の森などの緑の財産が、最近では都市化の進展と薄れゆく郷土心などから、荒廃し、失われていく現状にあります。 このため、これらの文化的遺産を保護・保全して、かけがえのない貴重な緑を引き継ぐものとして県知事が登録したものが「福島県緑の文化財」です。
大聖寺のアカガシ樹群(緑の文化財登録 第32号)
このアカガシの群生林は、相馬昌胤が植えたものとも伝えられていますが、定かではありません。大正の初め頃までは、このアカガシ樹群の枝渡りができるほど繁茂していたといわれます。大正10年(1921年)の幾世橋の大火で類焼しましたが、奇跡的に樹勢を回復しました。
■天然記念物指定
昭和50年5月3日 県指定
■所在地
浪江町大字幾世橋字北原
■所有者(管理者)
大聖寺
■樹齢
250年から400年
■樹種
アカガシ
大堀の歯形のクリ(緑の文化財登録 第463号)
このクリの実には、どの実にも歯を当てたような痕跡がみられるので、この名があります。『昔、「あき」と呼ばれる少女が重い病気を患い、初夏にさしかかった頃、突然クリが食べたいと言い出す。初夏の頃とてクリがあろうはずもなく、親は困り果てる。諸所のクリ林をさがしているうち、一本のクリの木の下で、半ば土に埋もれたクリの実を見つけ、喜び急いで持ち帰る。早速少女に与えると、うれしそうにクリに歯をあてたまま死んでしまったという。親は哀れに思い、亡骸とともにこのクリの実を棺にいれたが、後にこのクリが発芽して、現在の大木となった』 という伝承があります。この実をまいて育てても歯形の実はならないといわれています。
■所在地
浪江町大字大堀字西原
■所有者(管理者)
中平 重雄
■樹齢
500年
■樹高
12.0m
■胸高周囲
280cm
■科名
ブナ
■樹種
クリ
森林環境税による森林づくりをすすめています
福島県では平成18年4月から森林環境税を活用し、荒廃が心配される森林の間伐を実施しています。
森林環境税を財源とする交付金を受けることによって、町独自に森林環境を保全し森林づくりの意識を醸成する事業を実施しており、例えば小中学校での森林環境学習の推進(木工教室、植樹体験等)に継続的に取組んでいます。
今後も地域住民の皆さまと共に森林環境税による森林づくりに取組んでいきます。